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OEFの一人語り


by nori
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モノつくりこそが日本を再生させる

偉そうなタイトルですが私の持論は 日本は資源の無い国です。この国が世界で認められ繁栄していくには他の国には出来ないものを作り対価を得ること、それと共に食糧自給率を上げること この二点だと思っています。

昨日、出身の柴田町で仙南広域工業会の展示会とセミナーがあり見学に行きました。日本のモノつくりの隅っこにいるのでこの手の展示会にはマメに顔を出すようにしています。更に今回は宮城県工業技術センターがプリウスとアクアの内部部品の展示をするというのも興味がありました。

デジカメを忘れたのを酷く後悔しましたがプリウスとアクアの発電用コイルや内装品の展示、ボンネットの材質比較などの説明を受けました。最近の車体はステンレスなのだそうです。実際にプリウスのボンネットを持ち上げると軽い!という印象でした。隣に置いてあるアクアのボンネットを持ち上げると これが異常に重いのです。驚くことに鉄なのだそうです。軽量化に腐心するなかで何故に重い鉄なのか・・・ズバリ価格を下げる為なのだそうです。続きの説明に私は激しく感銘を受けました。単に価格を下げるといっても重量が重くなっては本末転倒ですがそこはほかのパーツを小型軽量化して総重量で目標の重さに追い込んだという事です。コイル一つ取ってもプリウスのものは巻線がむき出しで鉄芯も大きいのですがアクアのものは一回り小さく特殊な巻線構造になっており鉄芯もバームクーヘンを縦に割ったような形状で積層にしてそれを組み合わせる構造になっていて効率アップと軽量化を実現していました。

他にも機構部品や内装部品の説明を受けましたが総じて言える事は創意工夫のかたまりという事です。同じ製造業の方にお会いしてお話しする機会が多いのですが本当に皆さん工夫しています。そして苦労しています。短納期、高品質、コストダウン対応。どこへ行ってもこの言葉しか出てきません。更に昨今はこれに仕事が無い が加わります。

セミナーでは興味深いお話を聞くことが出来ました。大手コピー機メーカーを退職されたあと岩手県デジタルエンジニア育成センターで学生や求職者に三次元CAD(以下3D)を教えていらっしゃる方の講演でした。私も3Dは大好物で一日12時間以上ひたすらマウスをいじりっ放しになることがあります。講師の方が仰るには日本は3D後進国なのだそうです。産官学のトップ層は年配者でメリットが理解できないのだそうです。私も色々な企業で3Dのメリットを説いたことがありますが最近でこそだいぶ浸透してきましたが10年前だと何だそれという状態でした。

ガラパゴス携帯と揶揄される日本の規格ですが三次元化でも日本はガラパゴス化しているのだそうで何とか学生のうちにそれを打破することが必要と説いていらっしゃいました。企業は新入社員に3Dを教える余裕がないのだそうです。かくゆう私も3D導入後、殆ど独学でマスターし現在ではこのミッドレンジの最も著名なSolidWorksを不自由なく使っておりますがここまで来るのには結構苦労しました。講師の方はそうしたご苦労をご自身でも経験されていて更に衰退するいっぽうの日本のモノつくりを危惧されていました。日本を元気にするには3Dデジタル技術のハイレベル活用に係っているというお話、大きく頷きました。その為には学生のうちに3Dをマスターして企業で即戦力として活躍して欲しいのだそうです。

前述で激しく感銘を受けたと書きましたが創意工夫、言葉にするのは簡単ですが並大抵の事ではありません。自分も他の同業の方々も日頃からそれはそれは大変な努力をしています。お付き合いのあるメーカーが車関係でも電気関係でもどんな相手でも要求はなかなかハイレベルで苦難の連続です。今回T社からの要求に必死で答えた結果の結晶であろうアクアの高い完成度を見て携わったサプライヤー各社に大きな賞賛を贈りたいと思いました。

今一度立ち返って考えなければいけないのは生産の構造です。価格競争の名のもとにセットメーカーは安く調達できるならどこで作っても構わないと国内のサプライチェーンをぶった切り海外にシフトして国内を空洞化させました。今まで困ったときに助けてくれたのは誰だったのか?身近な中小企業の苦労を厭わない協力ではなかったのか。車メーカーは一度付き合うと10年は付き合いが続くと工業技術センターの方が仰っていましたが電気メーカーは酷いものがあります。やっと納入しても半年後のモデルチェンジの時にはオーダーが約束されている訳ではありません。もっと安くもってこれるところがあれば切り替えます。余談ですが仙南のある企業では携帯に使う薄型のタクトスイッチを量産していましたが最近受注が激減しています。理由はスマートフォンが主流になってスイッチが無くなったからだそうです。

それは極端な例かもしれませんがドライに価格だけで取引き先を切っていくと本当に困ったときに頼れるところが無くなってしまいます。また価格競争の為とはいえ非正規労働者を使ってしのぐというやり方しか出来ないのかと悔しい思いです。そうやって価格競争してきた結果はどうでしょうか 膨大な赤字、事業撤退、工場閉鎖、技術流失 しわ寄せを下へ下へと追いやった結果がこれではないでしょうか。

素晴らしい出来栄えの部品や製品を見ると完成までに関わった全ての方々に敬意を表したくなり素晴らしさに感動して震えがきます。鳥肌が立つというのでしょうか 話しが飛躍しますが中東諸国は何故この小さな国に優先的に原油を供給してくれるのでしょうか それは円を信頼しているからではないでしょうか その円をささえるもの それはどこにも真似できない製品を作り輸出して得られる対価に対する評価からくるものではないでしょうか その信頼を得るために小さいことではありますが我々はMade in Japanの誇りを掛けて今日もモノつくりに励みます。
by qrpdx | 2012-11-17 05:45 | 雑談 | Comments(0)